譜読みしよう!歌の楽譜の読み方手順の一例をご紹介

作品を知る

譜読みは音楽作品を表現するためには欠かすことのできない最初の手順です。わかってはいるけどめんどくさい…気持ちすごくわかります!特に今は映像や音源情報があふれているので、耳から入れて覚えちゃお、なーんてこともあるかもしれません。

ただ、自分で時間をかけて楽譜を読むと音楽をもっと深く楽しめたり、表現することができる、そして伝えることができます。そう感じたこと、あなたもありませんか?

私も声楽を習い始めた中学生の頃は音をとることやレッスンに間に合わせることに必死でした。ですが発表会やレポート提出、試験などでいつもより丁寧に譜読みをして作品背景まで知った時には、演奏することの自信へ繋がる、共演者とコミュニケーションが円滑になる、レッスン内容がより濃くなる…など本当にいいことばかりで学びが何倍も深くなりました。

譜読みを丁寧にすると得られること
  • 演奏する時の裏付けが確固たるものになり自信へ繋がる
  • 細かい要素を丁寧に読むことで、逆に暗譜の速度が上がる
  • 楽譜を読み込むことで共演者と認識が共有されコミュニケーションが円滑になる
  • レッスンを受ける際、声楽教師の要求が理解しやすくなり学びが深まる

この記事では歌の楽譜に特化した譜読み手順の一例をご紹介します。

楽譜に書いてある4つのことを確認しよう

音部記号

一番最初に音部記号を確認します。なぜなら音高の基準が音部記号によって示されるからです。歌のメロディはト音記号かヘ音記号で書かれていることが多いです。作品によってはハ音記号の時もあります。

調号

音部記号の右隣にある調号を確認します。シャープやフラットが何個ついているか、もしくはついていないか。これによって曲の調が示されています。調号としてつけられた変化記号(シャープ・フラット)は五線の段が変わるまで効力があるので、最初にきちんと確認することが大切です。

拍子記号

音部記号、調号、その隣にある拍子記号を確認します。数字やCなどの記号で表され「一小節に何音符が何個あるか」と「何音符を1拍と数えるか」を示しています。

速度と発想記号

ここまで確認した音符記号、調号、拍子記号の上あたりに曲の速度を示す数字や言葉が書いてあります。「♩=60」や「Lento 遅く」「Moderato 中くらいの速さで」などは曲の速度です。

「cantabile 歌うように」「espressivo 表情豊かに」「brillante 輝かしく」などは発想記号といって曲の表情や性格を表し指示しています。

歌詞を口に出して読もう

音をとる前に歌詞(詩)を読むことをおすすめします。なぜなら歌は言葉を伝えられる唯一の音楽表現だからです。言葉をないがしろにしては歌う意味がないといってもいいくらいです。

まずは朗読をします。そのあとは音符のリズムに乗せてリズム読みをします。まだ音程はつけません。クラシックの声楽曲は特に、言葉のリズムやアクセントがメロディにリンクしていることが非常に多いです。言葉を活かした演奏にするために、言葉を読んでから音程をつけましょう。言葉の音節(シラブル)まで細かく音符で確認しながらだとよりGOODです!

音取りをしよう

できれば自分で鍵盤を弾きながら音程を体に入れていきましょう。そしてここでも言葉を乗せる前にひと手順。音名(固定ド)もしくは階名(移動ド)でメロディを歌いましょう。純粋にメロディ自身のもつエネルギーや美しさを存分に知ることができます。音の運びに触れることで「この音楽はどこに行きたいのだろう?」という音楽面からのアプローチをダイレクトに感じられます。

歌詞に音程をつけて歌おう

いよいよ歌の練習らしくなってきます。音に言葉を乗せて歌っていきます。並行して次の2つも行いましょう。

文章の意味調べ

声楽は西洋のクラシック音楽を歌うことが多いです。日本語対訳を探したり、自分で和訳するなどして歌詞の内容をよく知りましょう。インターネット上で公開されているものもありますし、図書館の文献やCDのブックレットにも掲載されています。はじめのうちはまず参考文献などで大まかな内容をとらえつつ、自分で意味調べをすることで徐々に読解力がついてきます。

単語の発音調べ(発音記号で読む)

外国語の歌詞を歌う時は辞書などで単語の発音記号を調べましょう。正しい発音を知ることはとても大切です。そのあとは何度も口に出して練習します。それから音源などで歌手の演奏を聴いてみましょう。

  • その曲の言語が母国語の歌手の演奏
  • 母国語でなくても活躍の実績がある歌手の演奏

声楽の発語はどの言語も舞台発語となり、日常会話の発音と異なることが多いです。どのような音程でも言葉を明瞭に伝えなければならないからです。舞台発語による書籍などを参考に知識として、そして音源をきいて耳から入れる作業で言語感覚を養っていきましょう。

演奏記号で豊かに表現しよう

メロディに歌詞をのせて歌っていくと、歌のメロディの近くに様々な指示が書いてあるのが目に入ってきます。「mf やや強く」「cresc. 次第に強く」「risoluto 決然と」「dolce 柔らかに」「rit. 次第に遅く」などです。作曲家の意図を知るヒントが込められているのでぜひ演奏する際に表現しましょう。

  • 強さに関するもの
  • 曲想に関するもの
  • 速度に関するもの

辞書やインターネット検索でも調べることができますが、音楽用語に特化した辞典が手元に一冊あると便利です。

【まとめ】丁寧な譜読みが深い表現への近道

歌の譜読み手順の一例をご紹介しました。書き出してみると結構な工程数がありました。実際には手順通りとはいかないことも多いかもしれません。実は私もです。ですができることをできるところまでやる。順番が多少前後しても大丈夫です。たったひとつでも取り組んだことが自信になって、少しずつでも自分の力となることを実感できますよ

歌に関して言えば、私たちはみんな死ぬまで、学生なのよ。
 ―マリア・カラス Maria Callas(ソプラノ歌手)

20世紀最高とも語り継がれるギリシャ系アメリカ人ソプラノ歌手のマリア・カラスも上記のように言葉を残しています。…果てしない学びがあることに感謝し、いつでも音楽は偉大だとあらためて思います。

今日もこれから練習に励もう!と思うのは、きっと私だけではないはず。ひとつひとつ一緒に頑張っていきましょう。そして自主学習の成果をレッスンや発表会で表現していきましょう!

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